カシオペアの丘で 下 (講談社文庫) [104回参照されました]
あおみさん がこの本を手に取りました。あおみさんは、これまでに174冊の本を読み、67,684ページをめくりました。
本の紹介
100% [全416ページ]
状態 読み終わった!
2012/11/09 11:37:45更新
著者 重松 清 ブックリンクされた本
-評価
★★★★★感想
誰かの手によって作られた「小説」を文章として読んでいるというより、実際にその場にいて彼ら幼馴染の話を聞いているような気がした。トシが強がって本音を隠し、ミッチョがそれを見透かして冷やかし、シュンが微笑んで、ユウちゃんがとぼける。まるでこの4人を昔から知っていたかのように、彼らの言動一つ一つが素直に心に染みてくる。
シュンの人生は着々と確実に終焉に向かっていく。悲しきことか、嬉しきことか「死」が目前にあると、周りの人も当人も正直になっていく。そうして語られていく彼らの過去、現在、未来を一緒に受け止め、私も私の人生を振り返り、そして彼らの考えを取り入れる。上手く表現できないのだが、この一冊を読むことはこれまでの読書とどこか違うような気がする。「読む」という客観的なものとは違い、「参加する」という主観的なような…いや、これも違う気がするな。
『なにかを許したくないと思いながら生きる人生は寂しい。』『なにかを許せる人は優しい人だと思うんです。』私もいつか誰かを許して誰かに許されるんだろうか。そんな充実した幸せな人生を送ることが出来たなら、私は間違いなく「生きててよかった」と思えるだろう。
読書の軌跡
268ページ | 2012/11/06 07:59:06 | 後ろめたい過去のすべてを悔やんでしまうのは、その日々を生きた自分自身を否定しまうことになる。(雄司) |
416ページ | 2012/11/09 11:37:45 |
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