断絶 (中公文庫) [82回参照されました]
mak246さん がこの本を手に取りました。mak246さんは、これまでに105冊の本を読み、44,761ページをめくりました。
本の紹介
100% [全482ページ]
状態 読み終わった!
2011/10/18 01:21:32更新
著者 堂場 瞬一 ブックリンクされた本
-評価
★★★★☆感想
汐灘シリーズの2作目。シリーズとは言っても前作からの繋がりは舞台である架空都市「汐灘」という基本設定以外には、前作の主人公である伊達が客演するくらいで直接的な続編といった内容ではない。ただ、前作より若干和らいでいるとはいえ、人間関係に趣を置いた重苦しい作風はきっちりと継承された作品となっていて、その作風というか、作品の醸し出す雰囲気といった意味ではシリーズとしてのスタイルに拘りが感じれた。
個人的には前作での人物紹介的な部分が続編である本作への伏線かと思っていただけに、ストーリー面や人物面で繋がりが薄かったコトにはちょっとアテが外れた感はある。。。
物語は海岸で発見された身元不明の女性の遺体を巡り、その事件性を追う刑事の石神。そして、序盤では一見事件と無関係な地元の雄である靭持といった2人の視点で進行していく。
主人公である石神については、堂場作品の単独行動派系刑事としては道連れとなる若手が居るくらいで、その他であまり突出したものは見られず可もなく不可もない感じ。そのせいもあってか、あまり事件性の部分ではそれほどの盛り上がりを感じられなかった。。。
しかしながら一方で、閉鎖的な都市である汐灘だからこそ、その地元のために心血を注いできた代議士の靭持は自身の後継者問題と事件が絡んでくることによって自分の信念を曲げてまで四苦八苦様していくのだが、その様には地方都市に於けるパワーバランス、そして世襲家系としての人間ドラマが濃厚に描かれている。
…そして、その中に石神も巻き込まれてと。。。
この辺の重苦しい人間ドラマこそが本シリーズの特徴となっている上に、最後に人間関係の裏を抉るような展開が待っていたりして非常に読み応えのある作品に仕上がっている!!
もうこのシリーズは架空都市の設定と相成った泥臭い人間ドラマだけで十分に成立している!!!
故に、事件性について突っ込むのは些か野暮な気がしないでもないが、犯人の動機が浅はかすぎるのも本シリーズの特色なのだろうか…
いくら何でも代議士を目指し、その為の教育を受けてきた人間の行動にしてはあまりに考えが薄っぺらいと言うか、頭が悪すぎると言うかって感じで。。。
読書の軌跡
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