極北クレイマー 下 (朝日文庫) [202回参照されました]
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本の紹介
100% [全240ページ]
状態 読み終わった!
2011/04/08 01:04:03更新
著者 海堂 尊 ブックリンクされた本
-評価
★★☆☆☆感想
夕張市や福島県立大野病院産科医逮捕事件といった実話を題材に地域医療と産婦人科医療の崩壊危機を提示した作品とっなている。その意味では「イノセント・ゲリラの祝祭」でも描かれた医療と行政・司法とのパワーバランス問題について具体的な実例を挙げながらも桜宮サーガの一環して構築したら本作になったといったところだろうか。
ただ、本筋の問題以外にも地方行政や病院内のモラル、そして市長の親子問題まで盛り沢山に要素が積み込まれてる上に桜宮サーガの準レギューラーが至る所に絡んでくるなどで結果的には掴みどころがなかった感があるのも事実かと。。気になっていた三枝久広の事件についても医療事故から事件になる経緯事実だけが触れられているだけで、三枝医師や遺族の感情やその後の結論についてはほとんど描かれていない。(遺族については単に医療ジャーナリストに踊らされてるだけだし…)その他の問題についても問題提示だけで、ほとんどが結論のないままに終わってしまっている。
ま、最近のシリーズ傾向からしたら海堂さんの考える方向性はこの後の作品で語られるのかもしれないが…
桜宮サーガの世界観としてエンタメ的な見地からすれば、準レギューラー達の"その後"が垣間見れるのでシリーズファンにとっては単純に楽しめる。まさかここで世良雅志が再登場してくるとは思わんかった!また同時に世良がここまで別人物のような変貌を遂げてるとも想像しなかった。。。
そして西園寺さやか。顔に火傷で下半分を隠してるっていったら、スカーフで口元隠して北へ向かったでんでん虫の人???
ま、この人も企みがあるみたいだし、どこかで再登場するキャラだろうからそこで正体が判明するんだろうけど…
…等々、次作以降を読む上では外せないエピソードなんだろうが、本作単体としては若干消化不良であった。それは本題だと思っていた事件が、医師と患者の立場からそれぞれの心情や感情・背景を描いたヒューマンドラマではなくて概要をなぞるだけだったり、サブキャラクター達があまりに立ちすぎていて主人公である今中の印象が薄かったりしたコトからかもしれない。。。
読書の軌跡
96ページ | 2011/04/05 23:09:45 |
171ページ | 2011/04/06 23:31:17 |
240ページ | 2011/04/08 01:04:03 |
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