ダイイング・アイ (光文社文庫 ひ 6-11) [285回参照されました]
mak246さん がこの本を手に取りました。mak246さんは、これまでに105冊の本を読み、44,761ページをめくりました。
本の紹介
100% [全408ページ]
状態 読み終わった!
2011/03/10 01:36:46更新
著者 東野 圭吾 ブックリンクされた本
-評価
★★☆☆☆感想
東野作品としては珍しくホラー色を絡めたミステリー作品。行きすぎない程度にオカルトチックなエッセンスとホラーテイストの不気味さを醸し出させつつ、記憶の喪失、同棲していた彼女の失踪、謎めいた女の登場などの展開で先へ先へと読ませてくれる。
ただ、物語の核となる事故の真相部分についての記憶だけを失うといった都合の良い基本設定、そしてその謎を紐解くきっかけや記憶を取り戻すタイミングの都合良さなど、全てがご都合主義に思える作品でもあった。。。
そもそもこのストーリーに於いて、主人公の慎介は事故に対する責任を重く感じていないのだから、事故に関する記憶だけを失う理由も読了後となっては説得力に欠ける。そして事故に関わる主要人物たちがあまりにも身勝手で私欲に溺れすぎ。
「雇われ人の習性」とか言ってる人も結局は保身の上に損得勘定全開。更には飲酒運転を許容した挙句にその責任を放棄するのも遺族に対してあまりに身勝手!
主人公である慎介も含めて、皆の欲が渦巻いた部分だけが記憶から綺麗に抜けてるって、あまんりじゃないかと。。。
基本的なプロットは活かしつつ、別のストーリーで構成できなかったのだろうか…
本作の要となる瑠璃子は作品をオカルトチックに魅せていく上で見事に「謎の女性」であったが、その尋常ならざる言動が何なのかも「謎」で終わってしまった。
…ま、もちろん復讐なのは分かるが、何をどーしたかったんだろ?
他にも慎介の推理・推測のみで真相を明かさなかった要素が幾つかあったが、それはそれでも良いのだけど、この瑠璃子の真意までも伏せられたままでは、全体的に説得力の欠けた不可解なエンターテイメント作品としての印象しか残らない。。。
終わり方やタイトルの付け方は好きなんだけどなぁ~
読書の軌跡
88ページ | 2011/03/05 01:15:58 |
189ページ | 2011/03/08 01:10:22 |
288ページ | 2011/03/09 00:54:33 |
408ページ | 2011/03/10 01:36:46 |
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