シュガータイム (中公文庫) [136回参照されました]
とくこさん がこの本を手に取りました。とくこさんは、これまでに46冊の本を読み、11,505ページをめくりました。
本の紹介
100% [全215ページ]
状態 読み終わった!
2013/06/09 15:42:06更新
著者 小川 洋子 ブックリンクされた本
-評価
★★★☆☆感想
小川洋子2冊目。
異常食欲になった主人公と、彼女を取り巻く人たちとの関係と、少しの変化。
小川洋子の小説は静かで整然としていて潔癖な印象を受ける。
細かく章が別れて話が進んでいくのだけど、真っ白な必要最低限の物しかない部屋をひとつずつ開けていくような感じ。
主人公は異常な食欲になるけれど、別にそこに深くは追求しない。
メインとなる主人公、弟の航平、恋人の吉田さんはみんながみんな欠陥していて、特別美しいように思えてくる。
話としては進むにつれて言葉の多さや綺麗に収束しようとする所に、違和感を覚えていた。何でかと思ったら小川洋子の初期作品だったんですね。
粗さは感じたけれど、端々の言葉の奇妙な美しさのある文章は味わえたのでそこそこ満足。
読書の軌跡
42ページ | 2012/09/11 22:28:08 | 小川洋子を読んでると頭がぼおっとする。なんだかどうにも、彼女の文章は病的だ。 |
0ページ | 2013/06/06 12:17:01 | 小川洋子の何とない風景に急に焦点当てて変に細かい描写入れるのきもちわるい |
0ページ | 2013/06/06 12:17:33 | なんだか、不完全な物に美しさを見出してるね。 |
81ページ | 2013/06/06 12:27:33 | 航平はそんな残酷な視線を、ゆっくりまばたきをしながら真綿のように吸い取ってゆく。そんな時、航平の瞳がほんの一瞬薄い水色に染まることを知っているのは、たぶんわたしだけだろう。その切なげな色合いを見るたびに、わたしは彼を抱き締めたくなる。 |
90ページ | 2013/06/06 12:39:02 |
101ページ | 2013/06/07 13:37:54 | 闇の中では、昼間見えないものが生き生きと見える。 |
124ページ | 2013/06/07 13:38:01 |
170ページ | 2013/06/09 14:43:33 | たとえ落胆や苦しみから芽生えた思い出でも、今ではすべてが淡い甘味を帯びている。そのことがわたしを安らかな気持ちにした。 |
173ページ | 2013/06/09 14:47:04 | わたしの知らないどこかで、確かに吉田さんは生きている。そのことがどうしようもなく哀しかった。 |
215ページ | 2013/06/09 15:42:06 |
コメント
コメントするにはログインが必要です。