長き雨の烙印 (中公文庫) [149回参照されました]
mak246さん がこの本を手に取りました。mak246さんは、これまでに105冊の本を読み、44,761ページをめくりました。
本の紹介
100% [全536ページ]
状態 読み終わった!
2010/12/22 01:14:46更新
著者 堂場 瞬一 ブックリンクされた本
-評価
★★★☆☆感想
友人の冤罪の真意を暴くべく事件を追う刑事、冤罪裁判を糧にのし上がろうとする弁護士、そして自らの命を顧みず犯人への復讐を誓う被害者遺族といった3人の視点で物語は進んでいく。幼女暴行殺人事件とその被害者遺族、犯人と遺族の人権、そして様々な立場からの復讐と、元々が重いテーマを扱っているせいか作品全体からも重苦しいさが感じられた。
物語は20年の事件の真相を巡って進行していくが、最後までなかなか真犯人が絞れず、淡々と物語が進む割には飽きさせることのない展開になっていた。その意味ではまぁまぁ面白かったのだが、最近読んだ堂場作品の中では少々消化不良だったかもしれない。
その要因を考えてみると、様々な要素が絡み合っている割にそれぞれが深堀りされていなかった事にあったんじゃないだろうか。。
例えば、幼女暴行を憎むとはいえ先輩刑事である脇坂が20年前にあそこまで執拗に庄司を追い詰めた原因がイマイチ不明。
犯人が分かった後で見返しても所々の節の終わりに書かれた犯人の独白の意味が分からない。
このストーリー展開で伊達と庄司が友人だったって設定って活かされてる??とか。。
野心に駆られた有田は己の未熟さを感じただけで幕切れ??とかとか。。
…桑原なんかは結末も含めてそれなりに丁寧に描かれていたように思えるのだけど、比較的ストーリーが事件だけを追ってしまっていてその他の要素が希薄で説得力に欠けたように感じられた。最後の伊達夫婦のエピローグだって取って付けた感が否めないし、このエピローグを描くために伊達の私生活がちょこまか出てきたようにしか思えないしで。。。
ま、希望を言えばこれが架空の都市を舞台にしたシリーズ物の第一作なので、まだ人物紹介の障りだけだったのかもしれない。
次作以降の展開で今回の消化不足が解消されるコトに期待しよう!!
読書の軌跡
99ページ | 2010/12/15 01:28:23 |
185ページ | 2010/12/16 02:26:38 |
268ページ | 2010/12/17 01:54:10 |
354ページ | 2010/12/18 01:51:01 |
452ページ | 2010/12/21 01:31:53 |
536ページ | 2010/12/22 01:14:46 |
コメント
コメントするにはログインが必要です。