国境事変 (中公文庫) [102回参照されました]
mak246さん がこの本を手に取りました。mak246さんは、これまでに105冊の本を読み、44,761ページをめくりました。
本の紹介
100% [全421ページ]
状態 読み終わった!
2010/10/29 01:37:44更新
著者 誉田 哲也 ブックリンクされた本
-評価
★★★★☆感想
在日朝鮮人の殺人事件を巡って、刑事と公安とが入り乱れての捜査。そして事件の背後には北朝鮮が見え隠れし、最後は国境線に近い離島である対馬へ舞台を移して、正にタイトルに偽りのない「国境事変」が繰り広げられていく。事件、人間模様、描写などのあらゆる面で骨太な作品だった。
因みに、予備知識がないままだったので、ジウシリーズのスピンオフだとは思わなかった。。。
基本的には刑事vs公安といったありがちな構図がベースとなって展開していくのだが、その中でも望まずして公安畑を歩むことになった川尻の背景や心情等の人物描写が丁寧で、事件が進む中で生ずる葛藤や摩擦、そして生き様みたいなものが非常に読み応えのある描き方をされている。その中でも更に際立っていたのが被害者の弟である英男で、刑事と公安、そして日本と北朝鮮との狭間に悩まされながらも自分の存在価値を求めて足掻く姿が印象的だった。
…しかし、若松親子は救われないなぁ、、、ホント。。。
物語の後半では銃弾が飛び交ったりしてエンターテイメント系に走ってしまった部分や、事件の真相部分ではちょっと腑に落ちない点もあったが、在日朝鮮人の扱いや偏見、北朝鮮絡みの事案といった部分では小説内の絵空事だけとは言い切れない生々しさを感じる作品だった。
読書の軌跡
87ページ | 2010/10/27 02:58:19 |
177ページ | 2010/10/28 01:43:06 |
421ページ | 2010/10/29 01:37:44 |
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