イエメン もうひとつのアラビア (アジアを見る眼) [23回参照されました]
northeast57さん がこの本を手に取りました。northeast57さんは、これまでに572冊の本を読み、164,545ページをめくりました。
本の紹介
100% [全325ページ]
状態 昔読んだ
2010/09/26 12:23:24更新
著者 佐藤 寛 ブックリンクされた本
-評価
★★★★★感想
もう10年ほど前の出版なので、情報は最新というわけではありませんが、アラブの中でも有数の古い歴史を誇るイエメンの人たちの生活や文化、考え方が垣間見れて興味は尽きません。
アラブといえば、パレスチナ紛争、イラクの激しい戦争など対立の世界として、あるいは、石油マネーに潤う王族の贅沢な暮らし、といったイメージが中心ですが、伝統的アラブ社会の気風を残したイエメンのイメージは新鮮だし、これが本来のアラブ社会なのかと、古に想を巡らすのも楽しい。
もちろん現代のアラブの青年である著者の友人の中には、結婚前に婚約者に子供ができてしまい、慌てふためく人もいて、(イエメンの文化的伝統の中では、婚約者の父親に殺されかねない大失態、不名誉にして、大ピンチではありますが…)なにやら微笑ましくもあります。
著者自身も書いているように、女性社会に踏み入れない外国人男性による見聞は、社会の半分しか見ていないのも事実なので、その点が不足といえば、不足でしょうか。
イエメンの調査ではありませんが、女性研究者片倉もとこ氏の「アラビア・ノート」、「イスラムの日常生活」などを読んでみるのも良いかと思います。
(アラブ)イスラムについての隠れた必読書と言いたくなる本書です。
読書の軌跡
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