告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1) [439回参照されました]
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本の紹介
100% [全320ページ]
状態 読み終わった!
2010/05/09 09:03:17更新
著者 湊 かなえ ブックリンクされた本
-評価
★★★☆☆感想
作者デビュー作・2009年本屋大賞受賞・同このミス4位・2010年映画化決定。読み始めは、語り部形式の独白で進行する演出にとまどいや安っぽい携帯小説をつかまされた様な気分になるかもしれない。そして独特の違和感を感じ続ける。違和感の原因は、この小説が猟奇小説であるからだ。登場人物には、私の主観で理解する正常な人・常識的判断力を持った人がほとんどいない。あるいはいなくなっていく。著者は中学校というある種の閉鎖空間で展開されるが故の自浄作用の脆弱さを逆利用している。現代社会の病巣でもがき、生きる苦しみの中で自分の世界だけを主張する人々の異常性を表現しながら、「猟奇」に「日常性」を加えていく。
結末で著者が伝えたかった意図はなんだったのだろうか?「リセット」?「復讐」?「狂気」?「虚無」?大きな争点だろうが、この作品にドラスティック性を加えた点は間違いない。個人的には一言で「もったいないなぁ」という感想。
映画作品は陳腐な猟奇ものとか中途半端な学園ミステリーと見なされないように願いたい。
読書の軌跡
320ページ | 2010/05/09 09:03:17 |
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