天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫) [50回参照されました]
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本の紹介
100% [全296ページ]
状態 昔読んだ
2010/05/05 14:52:31更新
著者 村山 由佳 ブックリンクされた本
-評価
★★★★☆感想
前作『天使の卵』から10年。作品の中でもまさに10年の歳月が流れている。前作を面白いけど泣けない恋愛小説と表現したが、これもそう。つまりドラマチックすぎるのだ。しかし透明で美しい光を感じるお話だ。美しい死というものがあるならば、不慮の事故死とも言える前作のヒロインの死はまさに死ぬことで完結する永遠の愛が描かれていたのかもしれない。だが、作者は自らの出世作でもあるその大事な道標を大胆にも生きるものの喜びへと昇華させようとした。まさにここに10年間で作者が築き上げた自信と凄みを感じさせてくれる。大事に大事にしてきた宝物に手を加えることができたのは見事というしかない。青春恋愛小説が心に響く良作だ。
読書の軌跡
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