とくこさんの読書日記[公開中]
- 2016年08月07日
真鶴 (文春文庫)を読み終えました。
2016/08/07 12:50:18
土の中の子供 (新潮文庫)を読み終えました。
2016/08/07 12:49:58
- 2016年08月01日
土の中の子供 (新潮文庫)を127ページまで読みました。
月が雲に隠れると、ここは完全な闇になった。闇が私の体を消し去ると、私を覆っている安堵感は、明確な快楽にまで高まることがあった。それは何かに許されたような、守られているような、暖かで、染み入るような感覚だった。それはいつも、どこからともなく、私の上に降りた。
2016/08/01 22:24:38
- 2016年07月31日
土の中の子供 (新潮文庫)を73ページまで読みました。
「まあ、救われる気がするんだよ。色々考え込んだり、世界とやっていくのを難しく思ってるのが、自分だけじゃないってことがわかるだけでも」
2016/07/31 21:37:57
土の中の子供 (新潮文庫)を64ページまで読みました。
踏切は一定のリズムで自分を呼び、私は操られたかのように吸い寄せられるのだと思った。悪くなかった。わざと暗示にかかるというのが、何だかとても気が利いているように思えた。
2016/07/31 21:15:44
- 2016年07月29日
土の中の子供 (新潮文庫)を45ページまで読みました。
熱がコンクリートに吸収されているのか、空気が冷たかった。
2016/07/29 07:54:52
- 2016年07月24日
土の中の子供 (新潮文庫)を19ページまで読みました。
笑う時、彼女の頬にはえくぼができた。まるでその部分だけは彼女の人生の影響を受けなかったかのように、それは子供のようで、彼女に似つかわしくは見えなかった。
2016/07/24 12:17:53
- 2016年06月27日
私の本棚 (新潮文庫)を読み終えました。
2016/06/27 22:29:32
- 2016年04月26日
真鶴 (文春文庫)を213ページまで読みました。
かるく、抱かれた。近くなったのに、遠ざけられているようだった。抱かれているのに、抱かれているから、さみしかった。
2016/04/26 22:11:17
- 2016年04月23日
真鶴 (文春文庫)を96ページまで読みました。
七月か。青茲は考えている。ちょっと、予定を調整してみようか。しばらく、返事は待っていてくださいね。それからすぐに青茲は行ってしまった。自分から去るときは、ためらいがない。わたしが帰ろうとすると、惜しそうにするのに。
2016/04/23 15:08:43
- 2016年04月22日
真鶴 (文春文庫)を83ページまで読みました。
「いないから、嫉妬する」青茲は言った。「いないのに、ついてくるから、嫉妬する」青茲はいいなおした。
2016/04/22 14:08:39
- 2016年04月10日
真鶴 (文春文庫)を68ページまで読みました。
いなくなったからではない。日記を読みながら、自分の目ではなく、礼自身の目で、ここいらにあるものを見てしまったからだった。他人の目でここいらを見るとは、なんときもちわるいものだろう。以来、日記の字を読むと、刺されるようになった。痛い。いやだ。きらいだ。礼が。わたしとちがう。わたしから、へだたっている。けれど、へだたっていることは、ほんとうは、知っていた。知っていたのに、思い知らされると、びっくりする。火にふれて飛びのいたときのように、感情がゆすぶられる。
2016/04/10 17:34:25
真鶴 (文春文庫)を67ページまで読みました。
ひととき、本棚の奥にしまいこんだ。見えないように。礼を、見知らぬものと思ったことは一瞬もなかったのに、日記を読んだとたんに、見知らぬものになった。顔も、思いだせなくなった。においも。肌のここちも。声も。
2016/04/10 17:29:16
真鶴 (文春文庫)を58ページまで読みました。
言いながら、母はのびをしている。口ぶりはこころぼそそうだが、からだは春に向かってひらいているのがわかる。のびをする手の先の力が、つよい。
2016/04/10 17:16:34
真鶴 (文春文庫)を39ページまで読みました。
百には、やわらかな部分しか、さらせないのだ。かたくおおって守ればいいものを。むかし、百を自分のからだが所有していたことをおぼえていて、へだてをつくって拒むことができない。
2016/04/10 16:28:46
真鶴 (文春文庫)を17ページまで読みました。
もてあそぶほど死は遠くにない。すぐそこにあるというものでもないけれど。
2016/04/10 10:05:05
真鶴 (文春文庫)を13ページまで読みました。
百が生まれたばかりのころ、乳を吸われながら、近い、と思った。この子となんと近くにあるのだろう。腹の中に宿していたときよりも、なお近いように思った。可愛いだのいとおしいだの、そんなものではなかった。ただ、近かった。
2016/04/10 09:57:07
真鶴 (文春文庫)を16ページまで読みました。
「砂」という名字を不思議に思った。昨夜は何も思わなかったのに。響きが不思議というよりも、どのような名前がその下に来たならぴったりとくるのか、それが不思議だった。
2016/04/10 09:50:38
真鶴 (文春文庫)を6ページまで読みました。
「朝食は」と聞く息子の声に、おぼえがあったが、あきらかに初対面である、知ったものの声に似ているにしても、それが誰なのか思いだせない。出される声そのものでなく、声の奥底にある揺れのようなものに、おぼえがあるのだった。
2016/04/10 09:37:46
- 2016年03月01日
私の本棚 (新潮文庫)を97ページまで読みました。
私が今持ちたいのは、ただただ自分の愉しみのためだけに読んで、最初の一ページから奥付まで心底ほれぼれ惚れ抜いて、背を眺めるだけでうっとりする本だけを詰め込んだ、私的(プライベート)な書棚である。ひと棹もいらない。九〇センチ幅で三段、下から1段目は大型本、二段目は単行本、三段目に文庫を入れる。百冊弱。それで十分。それ以外の本は、仕事がかたづいたら手放してもいいんじゃないかと思う。
2016/03/01 13:13:23