学習する組織――システム思考で未来を創造する [2444回参照されました]
taka_akiさん がこの本を手に取りました。taka_akiさんは、これまでに3,187冊の本を読み、938,315ページをめくりました。
本の紹介
100% [全584ページ]
状態 読み終わった!
2011/11/17 19:25:31更新
著者 ピーター M センゲ ブックリンクされた本
評価
★★★★☆感想
む、難しいがためになりました。
そもそも「組織」って言葉はあるけど、それって具体的に何?と問いかけられるとノーアイデアの自分には目から鱗なことがたくさん盛り込まれていたりして。
学習障害を備えた組織の持つ特長を以下のように説明していたり。
1.「私の仕事は○○だから」
2.「悪いのはあちら」
3.先制攻撃の幻想:真の積極策は、私たち自身がどのように自身の問題を引き起こしているかを理解することから生まれる。
4.出来事への執着:短絡的思考に支配されていることの現れ
5.ゆでガエルの寓話:徐々に沸騰する水の中では買えるはそれに気づかず茹で上ってしまうと言う話。
6.「経験から学ぶ」という妄想
7.経営陣の神話
ふむー、何だか見覚えのある事柄が並んでいるような…。
さらに興味深かったのは「ビール・ゲーム」。複数の企業体、立場の異なる人々が関与し合うと何が起きるのかをシミュレート出来る試み。ビール工場、卸業者、小売店それぞれの視点からビールの急激な需要の高まりを体験するものです。これまでは漠然としか意識していなかった物事の流れが腹に落ちた感じがします。意思決定のタイミングも異なれば、意思決定からもたらされるアクションの結果がタイムラグを伴うことが何を引き起こすのか、なるほどーと思いました。ここでの教訓は以下の通り:
1.構造が挙動に影響を与える
2.人間のシステムにおける構造はとらえにくい
3.レバレッジは往々にして新しい考え方によってもたらされる
「システム」と言う言葉に対しても、漠然としたイメージしか持っていなかった訳で。こう言う視座もなかったなーと。
1.今日の問題は昨日の「解決策」から生まれる
2.強く押せば押すほど、システムが強く押し返してくる
3.挙動は、悪くなる前に良くなる
4.安易な出口はたいてい元の場所への入口に通ずる
5.治療が病気よりも手に負えないこともある
6.急がば回れ
7.原因と結果は、時間的にも空間的にも近くにあるわけではない
8.小さな変化が大きな結果を生み出す可能性があるーが、最もレバレッジの高いところは往々にして最もわかりにくい
9.ケーキを持っていることもできるし、食べることもできるーが、今すぐではない
10.一頭のゾウを半分に分けても、二頭の小さなゾウにはならない
11.誰も悪くはない
米国の軍事活動➡認識される米国の攻撃性➡テロリスト要因補充というシステムもなるほどなと。遅延の無いフィードバックシステムなんて実世界には存在しなくて、それぞれが結構な遅延をはらんでいて、かつ、それぞれが何かしらの制約を持っていたりするからさらに問題は複雑に。政治とかの世界もそういうのあるんだろうなーと漠然と感じたり。あ、ここでは反応の遅いシャワーと言うのがメタファにあげられていました。
以下はメモをつらつらと。
マネジメントの一般体系を作り出している八つの要素
1.評価によるマネジメント
2.追従を基盤にした文化
3.結果の管理
4.「正しい答え」対「誤った答え」
5.画一性
6.予測とコントロールが可能であること
7.過剰な競争と不信
8.全体性の喪失
真のビジョンがあると、人々は卓越し、学習する。そうするように言われるからではなく、そうしたいと思うからだ。
会計は「数字を記録する」のには最適である一方で、私たちはこれまで、新しいディシプリンを吸収することによって、「組織を築く」、「組織の能力を高めてイノベーションや創造性を生み出す」、「戦略を練り上げ、方針や構造を設計する」といった、よりとらえにくい課題には取り組んでこなかった。
メタノイア:心の転換
英語のwholeとhealthは語源が同じ。古典語のhalで「元気のよい」と言う意味。
実践を根付かせる。
ビジョンに対する姿勢の七段階
1.コミットメント
2.参画
3.心からの追従
4.形だけの追従
5.嫌々ながらの追従
6.不追従
7.無関心
はてさて自分は「組織」の中で「組織」に対して何が出来るのかしら。
読書の軌跡
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