したたかな生命 [1212回参照されました]
taka_akiさん がこの本を手に取りました。taka_akiさんは、これまでに3,187冊の本を読み、938,315ページをめくりました。
本の紹介
100% [全229ページ]
状態 読み終わった!
2007/11/30 05:27:58更新
著者 北野 宏明 ブックリンクされた本
評価
★★★★☆感想
ロバストネス(頑健性って訳されますけど、この本の中では「しなやかさ」みたいな意味の方が重宝されてますね)、懐かしいです。制御工学専攻だったので。
とは言え、ちょと難解だったかも。
制御工学では基本中の基本?のネガティブフィードバック、生物でも同様の働きがあったり。暑いと汗をかいて体温下げるとか。
ロバストネスを確保するには、多様性と冗長性が不可欠だとか。でも、ロバストネスを確保するためには、脆弱性(fragility)とのトレードオフを覚悟しなくてはならないとか。む、難しいすね。。
最新のホテルは快適さを提供できるけど、停電には弱い。古いホテルは不便だけど、停電なんて何のその、って例が分かりやすかったです。
以前読んだ「迷惑な進化」と通ずるところも多かったり。糖尿病の原因とされる現象インスリン抵抗性。現在ではそうかもですけど、太古の昔、病原体が非常に脅威だったときには、血液中のグルコースレベルを上げることで神経系機能を維持してくれるインスリン抵抗性は重要だった訳で。
さらに興味深かったのは、ロバストネスって概念を企業の体制にまで適用して説明している部分。牛丼の吉野屋はかつて、牛丼に特化していたからこそ業界トップを勝ち得た訳(ロバストだった)で、でも、BSEによって牛肉輸入が困難になると、ビジネスが立ち行かなくなると言う脆弱性も持っていたと。で、メニューを多様化することで、ロバストネスを向上させたものの、業界競争の観点では脆弱になってしまったと。もー、あちらを立てればこちらが立たず。。
その他、がん細胞のロバストネスへの言及もあったり。細胞の多様性が、抗がん剤への耐性を高めているんだとか。むー。
あと、飛行機の制御システムが冗長性を確保するために、冗長化されたそれぞれの系統に異なるメーカーのCPUを採用しているってこと知りませんでした。でも、そこまでやらないとですよね。
にしても、エヴァンゲリオンで聞いた「セントラルドグマ」って「中心教条」って意味だったんですねー。て、もともとの用法覚えてませんが。。
読書の軌跡
229ページ | 2007/11/29 19:06:36 |
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