オレたち花のバブル組 (文春文庫) [341回参照されました]
mak246さん がこの本を手に取りました。mak246さんは、これまでに105冊の本を読み、44,761ページをめくりました。
本の紹介
100% [全367ページ]
状態 読み終わった!
2011/08/09 01:30:44更新
著者 池井戸 潤 ブックリンクされた本
-評価
★★★☆☆感想
『オレたちバブル入行組』の続編。今回は巨額損失を出した老舗ホテルの再建を押し付けられる半沢だが、その前に立ちはだかるのは銀行内部、そして顧客である老舗ホテルや役人の中に蔓延る理不尽を糧に自己欲を満たそうという輩だらけ。その分かり易い"悪"に対して、「基本は性善説。だが、やられたら、倍返し」のスタンスで真っ向から立ち向かっていく勧善懲悪な構図は今回も健在だし、テンポの良い展開も相変わらずで、作品へ引き込む力は抜群!
ただ、結末だけがしっくりいかなかったせいか、読了後の爽快感は若干薄れてしまったかと。。。
内容的には、切れ者の主人公半沢だけでなく、今回は同期でありながら神経的な病によって出世レースから脱落してしまい取引先へ出向となってしまった近藤の姿が対照的に描かれている。企業人としてはある意味ヒロイズム全開の半沢に対して、居心地の悪い出向先で燻りながら悩む姿は身近な生身のキャラクターとして感情移入しやすいし、自分のプライドをかけて立ち上がりながらも、最後は現実を受け入れて半沢を裏切るような選択をしてしまう心情も、偏にキレイごとだけでは片付かないというリアリティが滲み出ていて物語に厚みを持たせていた。
等々と前作とは違った切り口での痛快企業小説に仕上がっていたはずなのだが、前回では上司を脅して自身の昇格をもぎ取ったラストに対して、目前の悪は倒すものの組織内の政治力には屈してしまう今回の終わり方がちょっと印象的、、、と言うより意外な展開だった。
現実的な結末とは言っても小説なんだし、このシリーズにはスカッとした爽快な終わり方がお似合いな気がする。。。。
…つまり、これは次作への布石???
などと期待しつつ次の半沢の活躍を待つことにしよう!!
読書の軌跡
98ページ | 2011/07/30 01:03:51 |
210ページ | 2011/08/04 02:01:20 |
367ページ | 2011/08/09 01:30:44 |
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