インクス流!―驚異のプロセス・テクノロジーのすべて [396回参照されました]
taka_akiさん がこの本を手に取りました。taka_akiさんは、これまでに3,187冊の本を読み、938,315ページをめくりました。
本の紹介
100% [全193ページ]
状態 読み終わった!
2007/11/19 20:10:50更新
著者 山田 真次郎 ブックリンクされた本
-評価
★★★★☆感想
最近では、どう言った経緯でこの本を読んだのか?ってこと自体、忘れてしまっています。。
こちら、金型制作工程を45日から45時間まで短縮した会社、インクス社の社長による著書です。24倍のスピード。ほへー。
三次元CAD(Computer Aided Design)が出始めた頃から、金型の制作工程に劇的な変化が起こりうると見出したのが、そもそものきっかけだそうで。この辺り、先進的に取り入れていたのは、日本ではなくアメリカのクライスラーだったそうです。
全般的に「いかにプロセスを改革して、劇的に納期を縮めるか?」と言った点に焦点を置いており、それはそれで非常に興味深いのですが、それ以外にも、所々で「おっ!?」と思わせる描写があったり。
「私は当時、『できません、とは言いません』という格言を創作し、自らに課していた。そう答える以外にない。とてつもない試練が待っていることは覚悟の上である。」
この後でも述べられているんですけど、大抵の場合、”できない”と言っているのは、「時間が足りないから、コストがかかるから」なんですよね。。
そして、金型職人の技を分析するシーン。
職人「よし、これで、しっくりいった」
著者「『しっくり』って、何ですか?」
(略)
著者「じゃ、石井さん(職人さん)、しっくりって三ミクロンなんですね」
ひゃー、って感じです。そもそも、こう言ったプロセス改革の影には、「これまで人が頭と体使ってやっていたことを、自動化しちゃおう」ってことがあって、この場合でも、職人の技すらもマニュアル化してしまっているのです。置き換えられる方はたまったもんじゃないでしょうけど。。
ちなみに、インクスの信条は「熟練させない。判断させない。やる気を起こさせない」です。ここまで徹底しないと、ってのには同意です。
これは、自動車部品や携帯電話の世界での話、でも、考えてみれば、それはそこだけの世界の話じゃないです。この本の後半でも触れられているように、蒸気機関による産業革命、コンピュータによるIT革命、と来たのであれば、今はいわゆる「職人」的な仕事とも言える、IT産業だって、近い将来自動化されても何らおかしいことないのです。
はてさて、そう言う時代が来た時、自分は何をしていることやら。料理人?
あと、ナレッジマネジメントの権威、野中郁次郎先生と「暗黙知」について、会話しているシーンも興味深かったです。
最後にメモがてら、
知的産業革命後に、「モノ」に代わって、価値を持つものは、「知」である。「知」とは、人類に「楽(がく)」を与えるもの。「楽だ」、「楽しい」、脳がそう感じるものに、人類は金を払う。対価を払う、すなわち価値。
自分は「楽」を与えているのかなぁ。
読書の軌跡
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