マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) [341回参照されました]
机龍之介さん がこの本を手に取りました。机龍之介さんは、これまでに149冊の本を読み、60,008ページをめくりました。
本の紹介
100% [全293ページ]
状態 読み終わった!
2011/07/11 03:23:25更新
著者 冲方 丁 ブックリンクされた本
-評価
★★★★☆感想
「俺は、社会的に有用であることを証明し続けることで、ようやく生存が許されている」
バロット、ウフコック、ボイルド、シェル、イースター・・・。卵の物語。証明するためにみんな回り続ける。愛とか存在意義とか、あるいはそれ以外の何か。極端な境遇の物語でありながら、少女と万能ネズミのよくあるタイプの心の交流物語ともいえる。人間誰しも、愛していること、愛されていること、幸せであること、満たされていること・・・あらゆる事物に対して証明を求め、安心していく。その意味で、当たり前と思われていることは、当たり前ではないということが提示され、それを意識的、無意識的に理解している皆さんがどうのように自分を救っていくかが焦点になるのかもしれない。だから少女の成長物語とは少し違う気がする。
そうはいっても物語はイントロダクション。ボイルド、シェルあたりの内面の掘り下げ方で、最終的な評価は変化していくだろう。
読書の軌跡
293ページ | 2011/07/11 03:23:25 |
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