プリンセス・トヨトミ (文春文庫) [6484回参照されました]
mak246さん がこの本を手に取りました。mak246さんは、これまでに105冊の本を読み、44,761ページをめくりました。
本の紹介
100% [全554ページ]
状態 読み終わった!
2011/06/15 01:16:41更新
著者 万城目 学 ブックリンクされた本
-評価
★★★★☆感想
確かにこの発想、着眼点等は面白い!しかも非現実的な展開にも関わらず、なんとなく納得させられてしまうだけの設定と裏付けがしっかりとあるし、物語の随所には史実に因んだ要素が盛り込まれていたりで見事なエンターテイメント作品として仕上がっている。大阪に攻め入る松平に、それを真っ向から受け止める真田って構図を現代で再現させただけでも思わずニヤリとしてしまうし、ついつい登場人物たちのネーミングなどに深読みしてしてみたり、予想のできないような展開に驚かされたりと正に娯楽小説として申し分なし!
舞台が大阪という事もあって、父親から息子へ脈々と受け継がれてきた大阪国と豊臣の末裔を守る使命といったファンタジックで荒唐無稽な設定がウマくハマってる上に、それらの秘密を知りつつも素知らぬふりで見過ごしてきた女性のリアルな姿勢ってのも何か面白いバランスだったかと。。。
ただ、説明的な要素が多いのも否めず、必要以上に細かい情景描写や周辺描写がちょっとまどろっこしい感じがしてしまった。。。まぁ、著者の大阪に対する思い入れってコトは理解できるんだけど、これらによって前半のテンポはイマイチだったし、分量の割にはそれぞれの人物の描き方が浅かったように思う。特に登場人物については、それぞれに背景がしっかりしててキャラクター性も立っているのに、なんか誰も彼もが中途半端な感じで。。
それ故に感情移入もし辛かったし…
性同一性障害の男の子を主役級に据えるのなら、もう少し事件を経た変化なりを明示してもよかったのでは???
まぁ、そんな不満も残りはしたけど、この不思議な世界観に引き込むだけの作品力は確かだった。
映画はどーなんだろ??鳥居と旭の性別が入れ替わってたりして設定が変わってたりするようだけど、原作の作品力は損なわない映像表現になってるのかに一抹の不安があって足が遠のいてる。。松平vs真田のクライマックスシーンは映像で見てみたい気もするんだけどなぁ。。。
読書の軌跡
98ページ | 2011/06/03 01:27:41 |
172ページ | 2011/06/04 00:22:19 |
262ページ | 2011/06/08 01:02:33 |
278ページ | 2011/06/09 01:14:29 |
461ページ | 2011/06/11 00:54:35 |
554ページ | 2011/06/15 01:16:41 |
コメント
コメントするにはログインが必要です。