HIGH OUTPUT MANAGEMENT [1029回参照されました]
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本の紹介
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2020/08/14 14:44:47更新
著者 アンドリュー・S. グローブ ブックリンクされた本
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★★★★★感想
(p58)インディケーターはそれが監視しているものに人の目を向けさせる傾向がある。…たとえば、在庫量の多少を慎重に測定し始めると、在庫量を減らそうとする処置をーーある点までは良いのだがーー取りがちになる。だが、在庫量があまりにも少なくなると、品不足を起こして需要の変化に応じられないこともありうる。このようにインディケーターは人に処置を命じることになるので、やりすぎにならぬよう自戒しなければならない。これには2つのインディケーターを"ペア"で使うとよい。そうすれば両方でもって効果と逆効果が測定できるからである。在庫管理の例でいえば、在庫量と品不足の発生率の両方の監視が必要である。
(p63)先行インディケーターを役に立たせるには、"その妥当性を信じなければならない"…先行インディケーターが教えてくれることに従って行動を起こす覚悟がなければ、それらの監視から入手できることは不安と心配ばかりになる。したがって、あるインディケーターを選択する以上は、それが警戒信号を発したときには必ず行動を起こすというように、信用できるものでなければならない。
(p64)(線形)インディケーターを読めば、目標に達する唯一の方法は、残りの2カ月のうちに、前4カ月よりもずっと速い速度で学卒者の採用承諾を得ることだとわかる。このように…早目に警告を発し、是正処置を取る時間をわれわれに与えてくれる。
(p65)将来を予想するもうひとつの健全な方法は、アウトプットを次の数カ月にわたって予測する、"ずらしチャート"を使用することである。
(p78)マネジャーが自分の管轄内のある特定の活動を深く掘り下げるときは、可変式検査の原則を応用していることがよくわかるはずである。マネジャーが大勢のいろいろな部下のやることをいちいち検査するとすれば、それは干渉というものであり、大方は自分の時間の浪費となるだろう。さらにまずいことに、上司が1から10まで詳しくチェックすることがよくわかってくると、部下は自分のやる仕事について責任を取らないことに馴れてくるのである。可変式検査の原則が経営管理者の仕事に適用されれば両方の問題はみごとに回避され、しかもそれがマネジャーの生産性を改善する重要なツールとなることがやがてわかるであろう。
(p100)小さなオフィスにいる保険代理業の人が始終個人的な友人に私用の電話をしていれば、その行為はそこで働く者すべてに許される行動についての一定の価値観を伝達していることになる。…一方、規模にかかわらず、ある会社のマネジャーが自分の仕事を真剣に考えていれば、最も重要なマネジャーとしての価値観を仲間たちに身をもって示しているといえる。
(p101)金や労働力や資本は必ずもっと手に入るが、マネジャー自身の時間は、誰もが絶対に有限な形でしか持っていない。したがって、その割当てと使用に相当の注意を払わなければならないのである。自分自身の時間をどう扱うかは、役割モデル兼リーダーであるというこもの最も重要な側面である、と私は考える。
(p107)もうひとつの悪い例は、マネジャーが、他の人々との仕事に影響する決定を引き延ばし、無駄口をたたいている場合である。事実、決定をしないということはネガティブな決定をするのと同じである。青信号がつかないということは赤信号だということであり、仕事は組織ぐるみ停止してしまう。
(p111)委譲の諸結果をモニターするのは、品質保証で行なうモニタリングに似ている。われわれは品質保証の原則を応用し、プロセスの中の付加価値が最も低い段階でモニターしなければならない。たとえば委任したレポートなら"原稿の下書き"を調べることだ。部下が時間をかけて最終原稿にまで磨き上げるのを待って、内容に関して基本的な問題があるのを発見するなどということをしてはならない。
(p111)二番目の原則は部下の仕事をチェックする頻度に関するものである。状況によって変える、例の可変式のやり方でもって、人に応じていろいろなサンプリング方式を使い分けなければならない。…モニタリングの頻度は、あなたが考える部下の"通常の一般的"仕事能力を基準にするのではなく、特定の仕事での部下の経験と以前の実績ーー後で詳しく説明する「タスク習熟度」ーーを基準にすべきである。
(p115)製造関係者は、自分のインディケーターを信じているので、すでに生産能力ぎりぎりまで機械が動いていると思えば、それ以上原料を生産工程に入れようなどとは思わない。そういうことをすれば、原料は途中まで進むが、ボトルネックのところで逆行してしまうからである。だから工場長は最初の時点で「ノー」と言って、生産の始まるときに、その水準がすでに負荷過剰とはならないようにする。しかし生産能力のインディケーターの根拠がはっきり確立されていないとか信頼できないということで、こういった原則をなかなか使えないマネジャーもいる。資料を見たり、レポートを書いたり、同僚と話し合うのに、どのくらいの時間が必要なのだろうか。正確にはわからないかもしれないが、およその見当はつくはずだ。だから、自分の仕事のスケジュールを組む場合にもそのような勘を養わなければならない。…遅くならないうちに早目に「ノー」と言うことが必要である。高い価値段階に達してから処理能力不足のために放棄するのは金と時間の浪費を意味することはすでに説明のとおりである。…あることに対し「イエス」と言ったら、必然的に他のことには「ノー」と言っていることを忘れてはならない。
(p121)自分が時限爆弾を手にしたなと認識することは、それが爆発した後ではなくて"自分の望むときに"問題処理に取りかかれるということを意味しているからだ。
(p120)経営管理の仕事に適用できる次の重要な生産原則は、"定例化"に向かって努力するということである。
(p129)ワン・オン・ワンミーティング(タスク習熟度、担当業務の領域内での状況変化の速度に応じて頻度を変える、厄介な問題も取り上げられるように1時間以上で設定して行う、部下主導で行い、部下がアウトラインを使って事前に共有する、潜在的な問題を発見することを意識する、部下が困っていることを話しやすくする、質問する、頭に入れるためにメモを取る、重要だが緊急ではないことは保留として、時間のあるときにやる)
(p143)自分の欲しいものを知らないで手に入れることなどはできない。これは絶対の真理である。
(p143)欧州に出張する場合などのようなたいていの2000ドルもの支出は、事前に上役の承認を得なければならないが、マネジャーは気まぐれからミーティングを招集し、2000ドル相当の経営資源を投じてしまうこともできるのだ。だから、たとえ呼ばれて参加する場合でも、そのミーティング(および自分の出席)が望ましいもので正当化できるかどうかを自問自答してみなければならない。それができそうもないと感じた場合には、司会者、つまり参加を求めた人にそのことを告げるべきである。…もし、ミーティングを開く意味がなければ、早いうちに、つまり付加価値が低いうちにそれを取り消し、目的に合った、もっとコストの安い方法…での処理を考えなくてはいけない。
(p150)第一段階は、すべての意見や問題点がオープンに受け入れられて議論される"自由討論"である。異論や反対が大きければ大きいほど、"自由"ということばがいっそう重要になってくる。…通常、参加者は事態の方向を感知しようとして、とんな見解が優勢であるかを見きわめるまで腰を引いていて発言しようとはしない。
(p151)ある意思決定にまだ論議の余地があると思うときは、議論を避けるために問題をあいまいにしようとしがちなのだ。しかし、あたりさわりのないことを言うだけでは結局は議論そのものは避けられず、単に延期されるだけになるからである。そうした決め方が不満な人は、その場で率直な話がしてもらえないならば、いっそう腹を立てることになろう。
(p152)組織というものは、あらゆる事柄についていつでも全員の同意を得ることで存続しているのではない。意思決定とビジネス上の動きを支持することを約束する人々によって、組織は存続しているのである。マネジャーが期待できることは、支持するという約束が正直に表明されていることだけである。
(p169)必要なのは、環境が現在要求するものと、今日から1年後に要求すると思われるものとの差異を浮きぼりにさせることである。
(p175)今日のギャップは過去のいつかの時点で計画したときの失敗を表わしている。今日の問題を改めるのに必要な意思決定に集中することを強いられるのは、比喩的にいえば、車のガソリンが切れてしまって慌てておたおた走り回っているようなものだ。…このような運命に陥るのを避けるために、計画するときに解答しなければならない問いがあることを思い出そう。それは"明日"の問題を解決するために"今日"何をすべきかについてである。
(p176)われわれはあまり頻繁に計画を立てぬよう心がけなければならない。自分たちの意思決定の影響を判断し、その意思決定が正しい軌道に乗っているかどうかを判断する時間的余裕を持つべきなのだ。
(p178)MBOシステムの特筆すべき長所のひとつは、焦点が絞れるということである。これは目標数を少なくすることによって可能である。が、実際は、なかなかできない。われわれは「ノー」と言えないことの犠牲になってしまう。そういう場合は、目標があまりにも多すぎるのが欠陥となる。われわれは、すべてに焦点をあてようとすることは、どこにも焦点をあてないのと同じだと悟り、この認識の上に立って行動しなければならない。
(p180)女王は国富増大を希望し、コロンブスは東洋への安全貿易ルートの発見を望んだ。そして、われわれはそれぞれの上下関係をなす目標が入れ子状に次々にうまく納まるヒエラルキーがそこにあるのがわかる。もし部下の目標が達成されれば、監督者の目標もまた達成されることになる。
(p180)さて、キー・リザルトはゼンマイ仕掛けのように規則正しく生み出されもするが、なおかつ目標を達成しそこなうこともありうる。コロンブスにとって、キー・リザルトは比較的容易に達成できるものだったが、中国への新しい貿易ルートを発見できなかったことはほぼ間違いない。つまり、彼は自分の目標を達成することに失敗したことになる。厳密な意味でのMBOでいえば、コロンブスは失敗したわけだが、業績を正しくあげたことになるのだろうか。彼は新大陸を発見した。そしてそれはスペインにとっては計りしれない富の宝庫となった。このように、たとえ特定の目標は達成できなかった部下でも、優れた成果をあげ、正しく評価されることは可能である。MBOシステムの意図はひとりの人間のペースを設定すること…にある。それは考課の基準となる公的文書ではなくて、個人がいかに正しく行動するかを判断するためのひとつのインプットにしかすぎない。もし監督者が機会的にMBOシステムに依存して部下の業績を評価したり、あるいは、部下が杓子定規にMBOを使用し、指定された目標あるいはキー・リザルトでないからといって、めぐってきた機会を利用しないとすれば、両者ともまったくつまらない、プロらしからぬやり方をしているといえよう。
(p247)一般に、高いレベルのモチベーションにあっては、不安は外部にあるものではない。その代わり、人を手控えさせるのは、自分を満足させられないという不安である。失敗しないかと絶えず心配していれば、自己実現への欲求で行動しているという状態の中にはいられないのである。
(p258)いつも傑出した仕事をしていた私の同僚のひとりがある若手を雇い、古い仕事の一部を任せて自分自身は新しい仕事にかかることにした。その部下は仕事がうまくできなかった。その同僚の考え方はこうだった。「彼は自ら間違いを経験しなければならない。そうして次第次第に覚えてゆくものなのだ」と。この場合の問題は、部下の授業料を顧客に払わせていることにある。これは絶対に正しくない。部下に物事を教える責任は必ず上司が負わなければならないし、組織の内外を問わず、顧客が支払うべきものではない。
(p261)監督者の約90パーセントは自分のマネジメント・スタイルについて、部下が考えている以上に、良くコミュニケーションを行ない、権限委譲をしていると考えていた。この大きな食い違いの原因は何か。部分的にはマネジャーが自ら完全な権限委譲者と思い込んでいるからである。だがまた、マネージャーが部下に対して提案や示唆のつもりで投げかけたものが、部下のほうでは前へ進めの命令だとして受け止めることもあり、それがこうしたパーセプション上の差を広げているのである。
(p262)社交的な関係と、部下の"仕事"にかかわり合いを持つコミュニケーション型の"マネジメント"の間にはきわめて大きな差がある。仕事を離れた時の親密な関係が仕事上にも同じような関係をもたらすこももあるが、この2つを混同してはならない。…部下が個人的な友人の場合、上司はコミュニケーション中心のマネジメント・スタイルにたやすく移行してゆけるが、例の「何をーいつーどうして」のやり方が必要なときでも容易にそれにもどれなくなる。友人に命令を出すのは嫌なものだ。
(p263)友人に対しきびしい考課を自分が実施しているところを想像すればよい。こうした考えには到底ついていけないと思うだろうか。そうだったら、職場に友人をつくってはならない。それでも胃がなんともないような人であれば、たぶん、個人的関係が仕事関係を強化するようなタイプになれよう。
(p268)たいていの仕事は評価の対象となる期間内にアウトプットが出る活動とはかぎらないものが多い。それでもなおー本当に客観的に測定できるものはアウトプットだけだから、われわれは必ずしも客観的でありえないとはわかっていてもー他人の業績を査定する上では、そのような活動に適当なウェイトづけをしなければならない。
(p269)査定のむずかしさを弱めるためには、管理・監督者は部下に何を期待するかを事前に自分の心の中で明確にし、それから部下がその期待どおり実行したかどうかを判断してみることである。…前にも述べたが、自分が望むものを知らなければ、どうして確実にそれを得ることができようか。
(p269)アウトプットの測定も内部的測定の重要性を相対的に比較する厳密な公式はない。…しかし少なくとも、どの2つの変数が互いにトレードオフされるものかを知っておくべきであろう。同じようなトレードオフが、長期志向業績対短期志向業績のウェイトづけにあたっても考慮されなければならない。製品設計に携わっているエンジニアは、収益をあげるために、厳密に決められたスケジュールに沿って、プロジェクトを完成させる必要がある。それと同時に彼は、将来同じような製品の設計がたやすくなるような設計“方法"を研究しているかもしれない。このエンジニアは両方の活動を評価し検討してもらうことが明らかに必要である。どちらがより重要か。このような質問のウェイトづけに役立つものに、財務で使用する「現在価値」という考え方がある。将来志向の活動はどれくらいの期間でペイするか、そしてそれは現在価値に直すとどのくらいの価値があるのか。
(p270)時間要素も考慮する必要がある。考課対象期間の部下のアウトプットは、同期間内の彼の活動のすべてと関係があることもあるし、部分的であったり、まるで関係がないこともある。したがって、管理・監督者は部下の活動とその活動から生じるアウトプットとの間の時間のずれ(オフセット)を考慮すべきである。…たとえアウトプットのインディケーターがシュウであっても、考課の対象となった年の実態を反映していないのだから、直感という内部的な尺度を信じてそのマネージャーをもっと低く考課すべき判断と勇気を持つべきだったのだ。…マネジャーは業績がはっきりしているときにだけそれを見て記録するのではない。目に見えない業績を"判断する"ことも求められているのである。
(p273)"マネジャーの考課を、彼の組織に与える考課より高くすることはできない"…このマネジャーに高い考課をつけたら、さらに実績をあげるためには、この良きマネジャーのごとく「行動」し、この良きマネジャーのごとく話し、この良きマネジャーを見習わなくてはならないが、この人のように実績をあげなくてもよいということを、インテル社全体に対して伝えていることになるのだ。
(p275)問題が複雑であればあるほど、コミュニケーションは伝わりにくい傾向がある。部下はあなたが言うことに適切な応答をしているか。あなたの言わんとしていることを受け入れようとしているか。もし彼の反応ーことばによる表現でも表情などのことば以外のものでもーから、あなたの言っていることが完全には伝わっていないとわかったなら、相手がよく耳を傾け、理解したという満足感が得られるまで、根気よく話し続けることが"あなたの責任"である。…良い教授は教室でも同じ方法で教える。自分の言っていることが生徒に理解されるときのことをわかっている。もし生徒が理解していないと思ったら、注意してもう一度同じことを説明するか、異なった表現で説明し直す。誰でも経験がおありだろうが、黒板ばかり見つめてもぐもぐ話し、生徒たちと視線が合うのを避ける教授もいる。こういう教授は、自分の授業がわかりにくくて理解できないことを知っているので、その点をわざわざ自分の目で確認することを避けるために、生徒から視線をそらすわけである。
(p277)考課を伝える上で役立つ方法をいくつか提案しよう。カギはあなたの部下が、たいていの人と同じように、事実や問題や提案を処理する上で一定の"有限能力"しかないと認めることである。あなたは彼の業績について7つの本当の事実を知っているかもしれない。しかし、彼の能力が4つしかないならば、他の3つについて熱心に話しても徒労に終わるだけだろう。悪くすれば、部下を感覚的にこれ以上は受けつけない状態にして放り出すことになり、部下は考課から何も得ないで立ち去ることになろう。人間には一時に吸収できるメッセージに限界があるということは事実なのである。
(p282)解決方法を発見することは考課者と部下の共同の仕事であるけれども、部下をすべての段階(不都合な事実を無視する→否定する→他人を非難する→責任をとる)を通過させて責任引受けにまで移行させるのは考課者の仕事である。管理・監督者は事態がどんな段階にあるか追跡しなければならない。部下が相変わらず否定したり、他人を非難し続けていたりするのに監督者が解決方法を発見しようとしてもなんにもならない。
(p283)マネジャーにとっても部下にとっても、問題とその解決案に同意することが"好ましい"のは確かである。なぜなら、部下が熱心に修正方向に向かって努力すると感じ取れるからである。そこである時点まで、あなたは部下とあなたが同意するよう努力を試みるべきである。しかし、それができないなら、事態を変えようという約束を受け入れて先へ進むがよい。仕事上の必要と気持ちの安らぎを混同すべきでない。事態を動かすのに、部下はあなたの側に立つ必要はない。あなたとしては、決められた行動のコースを追いかけると部下に約束させる必要があるだけだ。人が自分の好まない道を歩くことを期待するのはあまりよいものではない。しかし、仕事でわれわれが求めるのは人の業績であって、心理的な安心感ではないのだ。
(p284)最近、私の部下のひとりが、表面的で分析も深みもないと思われるような1枚の考課を書いた。討論の後、部下は私のほうの査定に同意したが、その考課をもう一度書き直すのに時間を使うほど重要なことではないという。さらにかなりやりあったのちに、行き詰まってしまった。最後に、私は深く息を吸い込んでから、こう言った。「きみはそれに時間をかける価値はないという。しかし私はそうして"ほしい"のだ」と。私はさらにつけ加えて、「われわれの間には基本的な食い違いがある。この考課システムの完全実施は、きみよりも私にとってもっと重要である。だから、私はあくまで主張しなければならないのだ」と。彼は私のほうをもう一度見てから、一瞬の間を置いて、ただひと言「わかりました」とだけ言った。彼は私がまったく間違っていると考え、重要とは思えないことに時間をかけさせたことに腹を立てたが、考課をやり直す約束をした。そして、事実、約束したことをよく実行した。
(p305)部下にとっても上司にとっても、こういう問題(ひとりの部下が、非常に高く評価されて尊敬されているのに、辞める決心をする。退職の動機がよその会社では、より良い給料とかより良い役得を得られるからという人ではなく、献身的で忠実であるのに、自分の仕事ぶりが認められていないと思い込んでいる人のことである。努力してもそれが認められていないと感じるようなら、あなたはマネジャーとしての仕事をしていないことになり、マネジャーとしては失敗している。それを慰留すること)は全体としてとにかく容易ではない。しかし、あなたは最善を尽くさなければならない。そこには会社の利益がかかわっており、この問題はひとりの価値ある従業員を残留させるよりもっと重要なことだからである。この部下は、それ相応の資質を持っているからこそ価値があり、重要な存在となっている。他の従業員も彼を尊敬しているし、同じような人間だとすれば、彼のことを自分のことだと思っているはずだ。だから、彼のように優秀な高業績達成者なら、彼と同じ道をたどる可能性が大きい。彼らの士気と会社に対する忠誠心は、この部下の運命の成り行きいかんにかかっているのである。
(p314)人により自分の能力以上の職位に昇進し、その仕事をかなり長い間平均以下にしかできないことがある。解決方法は…昇進させられる前によくできた仕事にもどせばよい。不幸にも、これはわれわれの社会では非常に困難なことである。人々はそれを個人としての失敗と見がちである。事実は、その人がもっと責任ある仕事のできる準備ができたと誤って判断した経営者の失敗なのである。
(p323)事柄を説明しようと試みるときにおいてももっともっとその事柄の背景まで立ち入りたいという誘惑に駆られ、その結果、コースのもともとの目的がぼけ始めてしまうことすらある。コースを準備するにらあたって直面する様々なむずかしい課題の深みにはまらないようにするには、コースづくりのスケジュールを定め、また締切りを定め、その枠内で努力するのがよい。コース全体のアウトラインをつくり、最初の講義案だけをつくり上げて「実行に移す」ことだ。
読書の軌跡
17ページ | 2020/08/01 01:18:50 |
39ページ | 2020/08/01 12:06:06 |
49ページ | 2020/08/02 13:53:59 |
66ページ | 2020/08/02 14:43:32 |
88ページ | 2020/08/02 16:37:32 |
101ページ | 2020/08/02 20:05:30 |
106ページ | 2020/08/02 22:46:29 |
112ページ | 2020/08/02 23:37:33 |
117ページ | 2020/08/03 12:43:26 |
135ページ | 2020/08/03 22:53:00 |
141ページ | 2020/08/04 00:11:31 |
147ページ | 2020/08/04 23:10:25 |
150ページ | 2020/08/07 01:17:30 |
165ページ | 2020/08/08 00:40:45 |
182ページ | 2020/08/08 17:51:27 |
201ページ | 2020/08/09 01:04:16 |
207ページ | 2020/08/09 09:34:29 |
217ページ | 2020/08/11 20:12:20 |
251ページ | 2020/08/12 00:10:23 |
263ページ | 2020/08/14 10:33:46 |
273ページ | 2020/08/14 11:24:34 |
291ページ | 2020/08/14 12:26:45 |
302ページ | 2020/08/14 13:14:34 |
305ページ | 2020/08/14 13:14:42 |
336ページ | 2020/08/14 14:44:47 |
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