邱永漢の「予見力」 [1425回参照されました]
Popoさん がこの本を手に取りました。Popoさんは、これまでに198冊の本を読み、56,501ページをめくりました。
本の紹介
100% [全238ページ]
状態 読み終わった!
2020/05/04 00:01:49更新
著者 玉村豊男 ブックリンクされた本
-評価
★★★★☆感想
(p21)証券会社の人はね、相場を毎日見過ぎているので、正確に情報をつかめなくなってしまうのです。海のそばに住んでいると、波しか見えないでしょ。…目先の大波小波に目を奪われてどこに魚がいるかわからなくなるのです。
(p28)日本人がいちばん不得意なことは、値切ることと、賄賂を渡すことです。このふたつができれば、世界中どこにいってま生きていけます。…日本人は植物ですからりその必要がなかったのですよ。…ひとつのところで根を生やすと、動かなくなる。反対に、根を抜くと死んでしまう。そういう生きかたをしてきたので、いま難しいところに来ているのです。だって、会社が日本にある必要はない時代になって、おカネのあるところに自分が動かなければならないのにそれができないでいるんですから。
(p31)日本人は、中国人のように目先の利益にとらわれず、夢を見て仕事をする人たちです。中国人は、実際に目の前でおカネを並べてみせないと寄ってきませんが、日本人は夢や目標を実現するために我慢することができるんです。…これは、日本人の大きな美徳であり、長所ですね。
(p183)中国のいちばんの問題は、何千年も続いてきた官僚制度というか、官僚専制主義といいますか、上から命令を受けると、下の連中はみんな、それを金儲けのチャンスにするんです。…たとえば、外国から来た人たちに不快な思いをさせないように、という命令が下ると、下の官僚たちはすぐあちこちの店にいって、おまえのところは台所ができてない、トイレが改造されていない、といって罰金を要求する。…その罰金がなんと十万元(150万円)なんですよ。…誰か人を通して、衛生局なら衛生局の監督をしている役人に渡りをつけて、なんとか1万元にまけてくれ、と頼むんです…罰金は一万元になったけど、そのとき役人に一万元渡せば、出費は二万元。でも十万元よりはいい、といってあきらめるんです。…オリンピックでも万博でもこれなんです。本当は、こういうのが全部なくならなきゃいけない。でも、なくす力はどうやってつくるかというと、結局これもカネの力が解決すると、私は見ています。…政治がいちばんあとからついていく…もともと政治は保守的なものであり、役人は人間の中でもっとも保守的な動物の集団である。そのお役人が先頭に立って政治改革をすることはありえない。…豊かになれば、人びとのモノの考えかたも貧乏だった頃とは変わってきますね、お金が人びとのモノの考えかだを変え、それが中国の政治体制そのものを大きく変えていく。経済力がついてくれば、政治もいやおうなくほのあとをついて変わらざるをえないでしょう。
(p195)役所だって表玄関からいったらダメなんです。表玄関ではなく、勝手口から入らないと。たとえば、なにか書類をもっていって申請する場合でも、かならず、まずその係の友だちを探し出して、そこから電話をかけさせるんです。そうすれば、下に置いてあった書類が、いつのまにかいちばん上に載っている。それが中国の社会なんです。
読書の軌跡
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