香港を知るための60章 [898回参照されました]
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本の紹介
100% [全394ページ]
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2020/01/19 21:52:51更新
著者 吉川雅之 ブックリンクされた本
-評価
★★☆☆☆感想
(p351)近年の日本のバーチャル世界で人気があるキャラは、一昔前の映画に出てくるようなスーパー・ヒーロー、ヒロインではない。アニメ、ドラえもんの主人公の「のび太」は、すぐに助けを求める。自立を求められる欧米ではめったに見られないキャラクターである(フランスではTV放送が禁止されている)…クールジャパンで有名になった、「カワイイ」と評される文化は、工藤保則によると、「未成熟」を愛でる文化だという…そして、物語では、土井健郎が『甘えの構造』で述べたような「甘える、甘えられる」といった関係性が主題となる。アニメの物語でも、強いリーダーというよりも、「仲間」の助け合いが強調される。
(p362)しかし、それでもあえて、筆者は香港の将来は暗くないと考える。それは香港がこれまでに数々の逆境を乗り越えて、新しい環境に適応し、様々に姿を変えて発展を続けてきたからである。戦後の香港経済は、対中貿易港としての役割が低下した際には工業基地に生まれ変わり、工業が大陸に移転すると、金融・サービス業センターに変身した。そういった素早い変身をとげた原動力は、政府の指導や国家の計画ではなく、民間企業や個人の行動力であった。小さなビジネスチャンスを見つけては果敢に飛びつき、少ない隙間を活かして商売を行なう。儲からなくなればあっさりと店をたたんで転業する。人々のこういった行動力が、香港に常に新陳代謝をもたらし、変化に次ぐ変化を呼び込んだのである…状況が悪くなればそれに身を任せて自分もただ落ち込んでいく程に、香港の人々はヤワではない。悲観は絶望ではない。見通しが悪ければ、新しい道に進むまでのことだー香港の人々からは、このような乾いた合理性に基づくポジティブさを感じる。
読書の軌跡
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