山本周五郎長篇小説全集 第十五巻 彦左衛門外記・花筵 [246回参照されました]
Yooさん がこの本を手に取りました。Yooさんは、これまでに274冊の本を読み、98,926ページをめくりました。
本の紹介
100% [全443ページ]
状態 読み終わった!
2017/05/20 10:08:39更新
著者 山本 周五郎 ブックリンクされた本
-評価
★★★★☆感想
彦左衛門外記は、天下の御意見番として有名な大久保彦左衛門が、実は主人公五橋数馬の作り出した欺瞞と言う話。筆者まで作中に登場する軽いノリで、全盛期の日本映画の時代劇はかくやと思わせる。山本周五郎作品では真面目な話を読んできたので、こんな作品もあるのだと驚く。題名は彦左衛門だが、主人公は700石の数馬で、それが11万石の大名の御息女ちづか姫を見染め、2人が結婚するまでの話である。時代は家光の頃で、彦左衛門を天下の御意見番にするのも、ちづか姫と結ばれるための策略で、それは果たされるが、彦左衛門は主人公の思惑を越えて動き始める。この辺りの、天下の情勢と個人の状況とが交錯する展開は山本周五郎の得意とするところだろう。
花筵は、それとはまったく異なる深刻な話。周五郎の最初の長編とのこと。藩内の腐敗を暴こうとする武士の妻が主人公。事がうまく運ばず、姑と逃げることになったり、挙句は逃亡先で水害にあい、我が子を亡くしたり。
題名は、逃亡先で生活の糧として始めた花筵織りで主人公が頭角を表し、主君へのお目通りを得、それが最終的な解決につながることに由来する。女性の活躍が眩しい。
読書の軌跡
278ページ | 2017/05/07 12:42:21 | 痛快娯楽時代劇と言うのは、こう言うものか |
443ページ | 2017/05/20 10:08:39 | 何故、この二編を合本した |
コメント
コメントするにはログインが必要です。