デイヴィッド・コパフィールド 全5冊 (岩波文庫) [1121回参照されました]
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本の紹介
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状態 読み終わった!
2017/01/29 22:30:22更新
著者 ディケンズ ブックリンクされた本
評価
未評価感想
最近、日本の現代小説を読んでいてもなんだかつまらない。ということで、海外文学を意識的に読もうと決意したが、次何読もう?と悩んでいたところ、そういえば、村上春樹が絶賛していた!と思い出したこの小説。全5巻なので、今の自分に読む体力・気力があるのかと思ったが、全くの杞憂。文学的に深いか、と言われれば違うと思うが、出てくる登場人物は類型にとどまらない面白さがあり、ご都合主義ではあれ、伏線は回収しまくり、孤児だった主人公は立身出生し、ハッピーエンド。もうとにかく、ジェットコースター的・ごった煮的に面白い。
何といっても、登場人物が個性豊かなところがいい。能天気に過ぎる浪費家の善人ミコーバー夫妻。ぬらぬらとした政策的に卑屈ぶった態度をとる悪役ヒープ(ホント気持ち悪い)。赤ん坊奥さんドーラ。庇護する姿勢をみせつつ欠点を指摘しまくり妻を支配し衰弱せしめるマードストン(まさに今のDV夫)などなど。
その中でも、孤児だった主人公を養子にする、ベッツイ叔母さんの魅力的なこと!偏屈で、プライド高くて、でも、知的障害者のミスターディックの長所を愛しその自由を守り、ロバが庭に入っていることは命をかけても阻止。ダメ夫と結婚し離婚した過去に傷つきながらも、その夫の死をみとる。そして、養子にしようとする主人公にかける台詞のなんて素敵なこと。「絶対に。何事に対しても、卑劣なのはいけません。嘘をつくのもいけません。無慈悲なのもいけません。この三悪は避けるんですよ。トロット。そうすれば、おまえのこと、いつだって末頼もしく思えますよ。」
今年は、若い時に読み逃していた、長編海外文学に手を出そうと思う。次は「三銃士」「モンテクリスト伯」あたりか・・。
読書の軌跡
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