若冲百図: 生誕三百年記念 (別冊太陽 日本のこころ 227) [3806回参照されました]
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本の紹介
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2015/03/29 23:28:00更新
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評価
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美術好きでは全くないが、若冲は好きだ(梅原猛の百人一語を読んだのがきっかけ)。サントリー美術館の「若冲・蕪村展」に先立ち本書を購入(やはり、別冊太陽のコスパは素晴らしい)。ウットリ眺め、改めて、好きな若冲作品を考えてみた。
① 花鳥人物屏風(墨絵の12枚の連作屏風。鶏、鴉、鸚鵡、野菜、魚、おっさんとヒョウタンなどが墨で闊達に簡潔にユーモラスに描かれて、それぞれの生き物の魂が躍動しているよう。昨年のプライス展で圧倒された)
② 果蔬涅槃図(大根を釈迦に見立て、入滅する横たわった大根を南瓜や椎茸や梨や数十種類の野菜の弟子達がこれを取り囲んでいる楽しい墨絵)
③ 象と鯨絵屏風(陸の白象と海の鯨の交流を描いたファンタジックな墨絵の屏風。白と薄いグレーが美しい)
④ 蔬菜図押絵貼屏風(1枚につき、茄子、椎茸、慈姑、南瓜、蓮根などの野菜が、それぞれ、ドデーン、ドデーンと描かれた墨絵連作屏風。サントリー美術展に出品のようだ。観たい!)
こうしてみると、自分は、自分が一般的に世評の高い、豪華絢爛で細密画的な動植綵絵や鶏の暑苦しい色絵は、凄いと思うが、あまり好きでないのかも(ただ、色絵の中の鶴や鸚鵡を書いたときの白の濃淡の美しさにはほれぼれする)。本人が息を抜いて楽しんで書いたであろうユーモアのある動きのる墨絵に深い愛着を感じるようだ。あぁ、若冲・蕪村展が楽しみ。
追記1【若冲・蕪村展前半@サントリー美術館】
やはり若冲素晴らしい!
より大らかでユーモアに富む晩年の作品が好み。
以下の絵に感銘を受けた。
・象と鯨図屏風 ノスタルジックで夢物語風でこれが江戸時代で晩年の作品なんておかしい
・五百羅漢図 じいさんになって、漫画もどきの、でも、500の人間や動物の書き分けも細かいこんな絵書くなんておかしい
・蔬菜図押絵貼図 しいたけや大根やクワイなど野菜1つ1つをふすま1枚にドカドカ書いて並べるという発想自体おかしい
追記2【若冲・蕪村展後半@サントリー美術館】
前半の方がよかったかな。後半よかったのは以下の絵。
・隠元豆・玉蜀黍図 繊細なデリケートな線の墨絵は若い頃のものがよい。
・石峰寺図 これはユートピアを描いた現代の絵でしょ。つくづくこれが80を超えた爺さんの描く絵とは思えん。
追記3【若冲生誕300年記念@東京都美術館】
滅多に見られない(天皇家所蔵)動植綵絵が全部見られるというので、駆けつけた。若冲の一大傑作というが、ホントに素晴らしい。構図、デザイン、その緻密さ、色使い。絵画の最高峰ではないか。特に、花の白とピンクの美しさにはため息。その驚嘆すべき細かい緻密な筆使いにはこ大げさでなく人間か悪魔か!?とも思った。この息がつまるほどの完全性とは別の、墨絵や晩年の漫画性にあふれたユーモアたっぷりの絵も描けるのだから、画狂と言えよう。いやいや素晴らしかった(「菜蟲譜」もよかった)。これで、若冲の有名な作品はあらかたみたと思うが(静岡県立美術館の「樹花鳥獣図屏風」ぐらいじゃないかな)、好きな若冲作品再構成。
① 動植綵絵(個人的には息が詰まる絵は好きではないが、これは素晴らしいとしかいいようがない)。
② 象と鯨図屏風(白とグレーの色使い、象と鯨のノスタルジックさ、そのイマジネーションに脱帽。心を別のどこかに連れて行かれる)
③ 花鳥人物屏風(プライス所蔵。その筆のおおらかさに、それぞれの生き物の魂が躍動。見ていて楽しくて仕方がない。)
読書の軌跡
171ページ | 2015/03/29 23:28:00 |
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