海洋堂創世記 [4441回参照されました]
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本の紹介
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状態 読み終わった!
2014/09/06 16:47:19更新
著者 樫原 辰郎 ブックリンクされた本
評価
未評価感想
「ただ、僕らには神も仏もなくて、模型だけがあった」。
ガレージキットの狂乱的な創世記としての、そして、これに携わる20代から30代の(オタク的に純粋な)若者達の熱い息吹で一杯の青春記である。模型への情熱、天才と凡人、才能の枯渇、脱落。筆者は、現在、映画監督・脚本家で、創世記の海洋堂に学生時代出入りをし、組立・宣伝を担当していた。模型に対する愛は誰よりあれど、原型師にはなれなかった筆者の立ち位置が、原型師達の才能、当時の狂乱ぶりを語るのに相応しい。
それにしても、本書で最も印象的なのは、筆者のボー(ボーメ)さんに対する愛だ。ボーさんは、天才原型師達の中で、決して図抜けた才能があったわけでなく、コツコツと誰よりも努力し、美少女フィギュアを作り続け、世界的なアーティストになった。極端な人見知りだけど、打ちけると毒舌でもって人に懐く。儲けていると勘違いされて、海洋堂は税務署に踏み込まれるも、税務署員から給与額を聞かれ、「知らない」と答え唖然とさせたボーさん。海洋堂あげての大仕事で、徹夜と失敗の繰り返しの危機的な状況に誰もが打ち拉がれる中、ボーさん1人は、塗装の失敗につき「大事なデータが収集できるんや」と目を輝かす。。筆者の書くボーさん像の何と魅力的なことか。
良質な青春ディスコグラフィである。
読書の軌跡
240ページ | 2014/09/06 16:47:19 |
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