女のいない男たち [10323回参照されました]
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本の紹介
100% [全288ページ]
状態 読み終わった!
2014/04/20 11:40:57更新
著者 村上 春樹 ブックリンクされた本
評価
未評価感想
「色彩を持たない***」があまりにひどすぎたので、本書もどうかと思っていたが、そもそも短編の方が出来にむらがないし、従来の春樹節もあり、まあまあ。とはいえ、テーマがテーマ(初老・中年の女性関係総括)だからか、主観的にすぎ、どんよりと重苦しく、正直気持ち悪い部分もある。体臭が濃すぎるといった感じ。自分が春樹の短編に期待する、軽やかでありながら、あとをひく、鮮やかなイメージ喚起力といったものはあまりなく、たぶん読み返さない。でも、本書を読んで、村上春樹は作家として死んではいないことがわかり、ほっとした。
【以下寸評】
「ドライブ・マイ・カー」:まぁまぁ。運転手のみさきの造形はよい。
「イエスタデイ」:ノルウェイの森・カフカと同様のモチーフ。ふーんといった感じ。
「独立機関」:「プールサイド」「トニー滝谷」と同様のモチーフだが、この二つの方が遙かに優れており、これは嫌い。
「シェラザード」:本人は一番気に入っているようだし、構造やモチーフも凝ってるし、それもわからなくもないが、やり過ぎの観があり、気持ち悪さが残る。
「木野」:これが一番よかった。「タイランド」と同じモチーフか。これを膨らませた長編を読みたい。
「女のいない男たち」:はぁ。なんかね。
【好みの村上春樹の短編】
「タクシーに乗った男」「レーダーホーゼン」「プールサイド」(回転木馬のデッドヒート)
「沈黙」「トニー滝谷」(レキシントンの幽霊)
「納屋を焼く」「蛍」(納屋を焼く、蛍、その他の短編)
「タイランド」(神の子たちはみな踊る)
「午後の最後の芝生」(中国行きのスローボート)
読書の軌跡
288ページ | 2014/04/20 11:40:57 |
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