竜が最後に帰る場所 (講談社文庫) [315回参照されました]
とくこさん がこの本を手に取りました。とくこさんは、これまでに46冊の本を読み、11,505ページをめくりました。
本の紹介
100% [全320ページ]
状態 読み終わった!
2015/04/28 19:38:14更新
著者 恒川 光太郎 ブックリンクされた本
-評価
★★★☆☆感想
もっとファンタジー色が強いと思っていたら、とても現実に根付いた、地に足のついた短編集だった。
それはきっと、描こうとする根底にあるのがありのままの世界の姿だからなのかなと。なんとなく、著者は理性的で世界を俯瞰で見ているように感じた。
それから驚いたのが引き出しの多さ。
どれも違った角度からの話で、1つ1つの短編を今度はどこからくるのかと楽しめた。
重い話の時でも決して尾を引く読後感にならないのは持ち味なのか。
特に印象に残っているのは迷走のオルネラと鸚鵡幻想曲。
夜行の冬もすき。
読書の軌跡
169ページ | 2015/04/12 10:04:54 | 電子ピアノはそれなりにいい音がする。倍音ペダルもあるし、鍵盤も安物のキーボードほど軽くはない。特に何が弾けるというわけではないが、コードを押さえたり、頭の中に思いついたメロディを探したりしながら無為なときを過ごしていると心が安らかになる。音楽の世界は深い。 |
170ページ | 2015/04/12 10:06:02 | 残響音が作る世界の深みに何かが息を潜めているような気がする。 |
258ページ | 2015/04/26 23:06:50 | なにしろ生まれた瞬間から今に至るまで、ただの一度も本当の意味で安心したことなどなかったのだ。 |
288ページ | 2015/04/27 22:30:11 | 空には数億の星が鏤められ、冷たく淡い光を放っている。白い竜の死骸は、声なき声で、もう行け、と語る。生物とはそういうものなのだから、哀れむことも悲しむこともあるまい。まだお前は生きている、もう行け。どこに行くべきか、よくわかった。 |
320ページ | 2015/04/28 19:38:14 |
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