医者見立て 江戸の性典 [61回参照されました]
らんぶるさん がこの本を手に取りました。らんぶるさんは、これまでに741冊の本を読み、173,229ページをめくりました。
本の紹介
100% [全112ページ]
状態 読み終わった!
2011/04/16 19:33:06更新
著者 田野辺 富蔵 ブックリンクされた本
-評価
★★★★★感想
112ページ。江戸時代のセックスの理論的裏付け、すなわち「性典」がどのような形であらわれたのか、またこれら性典に記されている内容を現代の医学知識に照らし合わせるとどうなのかを記した本です。
『医心方』は日本最古の本格的医学書として平安朝期に著され、中国で古来から伝えられた医学知識をベースとしています。江戸時代に書かれた『養生訓』や『淫事戒』などはこの『医心方』を祖述しています。
読んでて面白かった点をあげますと、以下の通りです。
* 浦島太郎の童話の原典はアダルト向きの説話で、「鯛やヒラメの舞い踊り」は誤訳で、実は「洞玄子」に出てくる性交体位三十法を絶世の美人であろう仙女相手にいろいろ手を変え、品を変えて楽しんだというお話だったこと。
* 二十代は何日に1回、三十代は何日に1回といった具合に、年代別にセックスの回数(射精の回数)を制限し、あまり精気を外に出さないことが養生の道だと教えていること。
* 男性器、女性器の良い悪いについても触れられていますが、詳しくは「医者見立て 英泉『枕文庫』」を参照願います。
* 性交の体位の名前について、おそらく当時の文化人で遊びなれた粋人が、そのなじみの高級遊女たちと面白半分につけたものと思われること。相撲の取口に真似て男女の取組色道四十八手が有名だが、色々な形で伝わっているため、同じ体位でも違う名前がついていたり、別の体位があったりなかったりすること。
* 基本体位といえる10種類の体位について、男性器や女性器に対する刺激の具合、適合・不適合、難易度を交えて表にしてまとめてあること。
色道四十八手の章では30手しか紹介されていませんが、それぞれの体位が描かれた春画もカラーで掲載されていますので、参考になるかもしれません(春画そのものがデフォルメして描かれているので難しいかもしれませんが)。
読書の軌跡
18ページ | 2011/03/02 21:35:11 |
29ページ | 2011/04/16 18:09:07 |
112ページ | 2011/04/16 19:33:06 |
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