神様 (中公文庫) [248回参照されました]
とくこさん がこの本を手に取りました。とくこさんは、これまでに46冊の本を読み、11,505ページをめくりました。
本の紹介
100% [全203ページ]
状態 読み終わった!
2014/03/13 17:46:29更新
著者 川上 弘美 ブックリンクされた本
-評価
★★★☆☆感想
非現実の存在が現実と当たり前みたいに共存してる短編集。
現実と非現実が出会っても、何か劇的な事が起こるのではなく、ただそこに在って、一緒に過ごす。
その日々を垣間見てあったくなったり、おかしくなったり、すこしさみしくなったりする。
当たり前すぎて、非現実が現実のような、現実が非現実のような心地になった。
前に読んだセンセイの鞄があまり合わなかったけど、こちらは中々すき。
読書の軌跡
11ページ | 2014/01/03 13:50:04 | 呼びかけの言葉としては、貴方、が好きですが、ええ、漢字の貴方です、口に出すときに、ひらながなではなく漢字を思い浮かべてくださればいいんですが、まあ、どうぞご自由に何とでもお呼びください |
15ページ | 2014/01/03 14:04:14 | 「何回か引っくり返せば、帰る頃にはちょうどいい干物になっています」 何から何まで行き届いたくまである。 |
23ページ | 2014/01/03 14:13:00 | このところ、夜になると何かがずれるようになったのである。何がずれるのか、時間がずれていくような気もしたし、空気がずれていくような気もしたし、音がずれていくような気もしたし、全部ひっくるめてずれていくのかもしれなかった。それで、昼間梨畑で働かせてもらうことにした。 |
42ページ | 2014/01/04 16:42:57 | 棺の中に横たわっていた叔父の顔を思い出した。白く、小さく、薄く見えた。寝ている人間の顔は広がって見えるのに、死んだ人間の顔は縮んで見えることが不思議だった。 |
63ページ | 2014/01/04 17:11:42 | 不思議な存在を、当たり前のように受け入れている。 |
70ページ | 2014/01/05 00:43:03 |
80ページ | 2014/01/05 12:42:36 | 花ねえ。切り花はあんまり得意じゃないのよ、すぐに枯れるからかなしくて。わたしが言うと、ウテナさんはふふふと笑い、 |
118ページ | 2014/01/05 14:18:03 | 「ぼくの寒いはね、小さくて青い色の空き瓶だよ」 |
136ページ | 2014/01/05 17:35:17 | 帰れば男はカナエさんを抱きしめたりくるくるまるめたりした。 |
142ページ | 2014/01/05 17:42:30 | カナエさんの体じゅうが淋しくなった。体のうわっつらも中身も、ぜんぶが淋しくなった。最後まで残っていた淋しくない部分が淋しいにくるりと裏返ったとき、カナエさんは帰らない男に向かって、 「帰ってほしいのです」と呼ばわった。 |
175ページ | 2014/01/05 18:19:48 |
191ページ | 2014/01/05 20:38:04 | ずいぶんきちんとした手紙だと感心しながら、三回繰り返して読んだ。三回目には泣きそうになったが、泣かなかった。 夜になって寝床の中でもう一度文面を思い出し、少しだけ泣いた。赤ピーマンのローストなんかじゃなく、魚の皮をそのまま持ってくればよかったのに。そうつぶやきながら、少し泣いた。 |
203ページ | 2014/03/13 17:46:29 |
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