電子書籍元年 iPad&キンドルで本と出版業界は激変するか? [157回参照されました]
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本の紹介
100% [全240ページ]
状態 読み終わった!
2010/05/28 13:01:05更新
著者 田代真人 ブックリンクされた本
-評価
★★★☆☆感想
電子書籍ビジネスの方向性に関する実直な考察。出版人である著者の視点で、ある点で自省を含めた出版業界全体の生き残りの道程を提示する。横書き文化と縦書き文化、グーグルエディションの日本語に対する優位性等、外面だけではわかりにくいお話は今後のプラットフォームの行方とからめて興味深い。電子書籍ビジネスを紙の出版ビジネスと比較した収益比較は、迷走する出版業界の実状をわかりやすく読者に伝えてくれる。
一人の作家(著者)が一冊の本を発表するという出版の原点が巨大なビジネスとして変容してしまった現在、新しいメディアの仕組みに臨むには本の作り手=著者が本来の伝達力・影響力を蘇らせることが大事。つまり出版コンテンツの再生は単に電子書籍化することが解決ではなく、読者が読みたいと思う本=コンテンツをつくることであると説く。
ただし著者は出版社以外の業態にはかなり気を使った表現に留めている(衝撃的なタイトルフレーズに反してw)。
以下は著者の意見に対する自論として、
<取次=商材拡大で生き残る>これは現在の資本力を生かして全く別業態のビジネスに進出することなのかもしれないが、特許や技術力を持つメーカーではなく多くを既得権益と人的スキルだけに頼る流通会社が新たなビジネスに活路を見出すのは容易なことではないだろう。現状の出版社同様に不動産運用のような自己資産を活用する範囲に留まる可能が高く全体としてシュリンクしていく気がする。
<書店=セレクトショップ化>これまたかなり高いハードルなのでは?現在でもこの業態に近いチェーン店が存在するし、町の本屋さんがセレクトショップになれるのならそもそも委託販売の意義も希薄になっているはずである。かつての町の洋服屋さんがセレクトショップになった事例は少なく、元デザイナーが立ち上げた店舗の方が多い気がするのだが。つまり編集長や作家が本のセレクトショップを開店すると言うのなら魅力的に映るのかもしれない。
読書の軌跡
240ページ | 2010/05/28 13:01:05 |
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