スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800)) [328回参照されました]
aoitakuさん がこの本を手に取りました。aoitakuさんは、これまでに510冊の本を読み、154,371ページをめくりました。
本の紹介
100% [全268ページ]
状態 読み終わった!
2008/04/03 23:27:51更新
著者 桜坂 洋 ブックリンクされた本
-評価
★★★★★感想
ひとには、ひとりひとりにルールがある。
それは例えば横断歩道の白線を踏まずに渡るだとか、色の濃いタイルだけを踏んで歩くだとか、そういう些細なことさえ、ルールだ。
と、いうわけで、久しぶりに読んだ桜坂洋の作品は、そんな、ルールにまつわる話なのだけれど、そのひとことで済ませるにはちっとも足りない、そんな味わい深さがありました。ユニークな表現が、これまたユニークな題材を引き立たせ、ときに静かに、ときにはげしく、ときに鋭く、ネットワーク対戦格闘ゲームを舞台に、物語が紡がれていく。
主人公は、仮想現実と現実の狭間で揺れ動く迷子のような青年で、大学に進学してみたものの、意義を見出せず、かといって積極的に現実逃避することもできず、と、そんな微妙な立ち位置にあって、おそらくぼくと同世代のひとは、そういう感情とは決して無縁ではなかったと思うし、ぼくも、どうしても共感してしまう部分が多くあって、作品の空気だとか雰囲気だとかを間近に感じられて、それが幸福だったな、と思う。
物語の構成的な部分だとか、うだうだ言うより、読むが早い。ぼくが書いたわけじゃあないから、偉そうに言うことじゃないけれど、後悔も損もさせない自信がある。
***
ラノベではない。と言い切ることはできない。
この作品は、エンタテイメント性をも強く意識して書かれているからだ。
ただ伝えたいことあるいは書きたいことだけがあって、それを小説にしたんじゃなくて、読み手を楽しませるための、作り手側の工夫がちゃんと見られる。
青春小説であり、娯楽小説であり、そしてヴァーチャルな文化に触れて育ったぼくらをターゲットにしているのだから、これはある意味ではライトノベルであり、そして、同時にライトノベルではなくもある。
なので、恒例のMVP。
いっとうしょうはハシモト。次点でルイ、薙原さん。
ハシモトかわいいよハシモ……いや、まぁ、うん。読めば分かるよきっと!
読書の軌跡
89ページ | 2008/04/02 00:17:49 | 描写が独特。でも的確というか、雰囲気をよく出してると思う。良い味です。 |
268ページ | 2008/04/03 12:09:13 |
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