白夜行 (集英社文庫) [714回参照されました]
あおみさん がこの本を手に取りました。あおみさんは、これまでに174冊の本を読み、67,684ページをめくりました。
本の紹介
100% [全864ページ]
状態 読み終わった!
2012/08/15 03:54:24更新
著者 東野 圭吾 ブックリンクされた本
-評価
★★★★★感想
やっと読めた!約850ページという一般的な小説であれば2冊分に匹敵するが、内容は複雑にそして正確に組み立てられ、そして鮮やかに解かれて行く。東野圭吾の読ませる能力は圧巻と言わざるを得ない。彼の作品の中でも本書は間違いなく傑作である。
もしこの作品に興味があるなら、読後でも前でも是非映画を見てもらいたい。原作と異なる部分は少なからず見られるが実によくできていて、より亮司と雪穂の心の葛藤や、原作では描かれなった彼らの内面が窺い知れると思う。
作中で、雪穂は「あたしの上には太陽なんかなかった。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。」と自分のこれまでの人生を表現した。亮司も自分の人生は「白夜のなかを歩く人生だ」と言った。2人にとってお互いは唯一無二の存在であり、心の支えであり、憧れであり、親友であり、生きる意味だったのだろう。彼らが子供の頃に体験した悲惨で、陰湿な出来事は自分とは余りにもかけ離れていて想像がつかない。片方は、幼少期から親に身体を売られむさ苦しいおっさんの性欲の捌け口として利用され、片方は自分の父親がその友達に興奮している様子に出くわし殺害してしまう。どれだけ辛かったのだろうか。
読後感は良いとは言えない。しかし、これだけの壮大な物語を私は目にしたことがない。とにかく、この一冊はこれからの読書人生において記憶に残る一冊だろう。長い時間をかけてでも読む価値は多いにあると思う。
読書の軌跡
864ページ | 2012/08/15 03:54:24 |
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